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2021-05-14

新型コロナウイルスとの共生

「新型コロナウイルスとの共生」模索が厳しく問われる中で、「食」は自然環境とのかかわり、社会・経済・文化とのかかわり、地域・家族とのかかわり、ひとり一人の命とのかかわりが直接重なり合って、毎日高頻度で繰りかえされる営みなので、大混乱しています。

こうしたときこそ、「食生態学」のコンセプトや実践スキルや連携パワーを活かして、具体的な活動をしなければならないのに、自分たちの周辺のことしかできていないことを慙愧に思い、お詫びします。

混乱状態を「新型コロナウイルスとの共生」の視点で整理し、実行につなげるために書いた2つの論考をたたき台にしてほしい。

1つ目は、食を支える専門家を支える「NPO法人食生態学実践フォーラム」の仲間たちに書いたメッセージ。

一人残らずの人々の命を守っていくためには、一人残らずの人が「自分は何をどのくらい食べたらよいか」を知り、実行できるようになること。今、フードシステムの混乱の中、家庭内に届く食料品や料理のサイズは「あなたが食べる食事のサイズ」になっていないことが多いので、自分や家族で分配するときが、「命」を決める内容になります。

マスコミ・企業・教育・行政機関等は、ひとり一人が食べる「食事のサイズ」の情報提供を積極的にしてほしい。

食生態学実践フォーラムニューズレター55号

「3・1・2弁当箱法」

2つ目は、地球規模での「環境と生活の共生」の在り方を、一番身近な「食」で考えあうたたき台として、「日本フードシステム学会」誌に掲載された論文です。少し長いタイトルです。『「生活の質」と「環境の質」の持続可能な「共生」をゴールにすることの必要性と具体的な実践事例―食生態学の研究と実践から―』

国際的な合意を得て、今、世界中の人がそれぞれの立場でゴールの実現を目指しているSDGsとしっかり重なってきます。「川上から川下へ、最終消費者へ」という一方通行の固定的な考え方への疑問も書きました。ぜひ、読んで生活者も発信しながら進める「新型コロナウイルスとの共生」の方向検討のたたき台にしてほしいです。

フードシステム学会誌27-3足立論文