「魚と食育」フォーラムに参加して!!
”魚はよい食物だ”と言われ、全国中で“魚を食べよう”運動・食育が進むことは喜ばしいこと、わたくしも積極的に関わってきました。しかし、残念なことにその科学的な根拠がない、きわめて少ないことに悩んできたのです。
“魚は肉と並ぶたんぱく質の主要な供給源で、重要なビタミンやミネラル、不飽和脂肪酸などの機能性成分が含まれ、健康維持には欠かせない食材のひとつです。特に魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3系不飽和脂肪酸は、コレステロールなどの血中脂質を減らし、血管内皮を正常に保つ作用や血液をサラサラにし・・・・・”といったことは、研究成果も蓄積され、一般生活者の間でも常識のように普及しています。これら、魚の中に含まれている“成分”と人間の“生理の営み”との関係についての科学的根拠は近年非常に多くなりました。
しかし、心身一体の、さまざまな環境の下、日々暮らしている私たち「人間」が、上に書いた成分も含む「魚」を食べることが、人間にとって、くらしにとって、環境にとって、よいかどうかの研究は未だ進んでいません。生物学、農水学、環境学、社会学等さまざまな専門分野で、それぞれの研究は行われてきましたが、“生活する「人間」にとって”よいか、よいとすればなぜよいか、それを育て・持続できるようにするにはどうしたらよいか、そのための食育のあり方は?・・・の根拠は明確でありません。
従来の縦割りの学問では答えが出にくいこの答え探しを、足立己幸が研究代表者である「日常的な水産物の摂食とその効果に関する食生態学的研究」班が進めてきました。3年間とその後の継続研究・実践を含めて、公開で報告し、多くの方々と研究成果を踏み台にして、さらに基本的・実践的な答え探しを共有したいと思い、フォーラムを開きます。
いろいろの方に参加していただき、日本の食を支えてきた「魚」からの食育について考えたいと思います。
(課題を多く残したままの報告書ですが、274ページの報告書を研究事業の推進母体である東京水産振興会に、増し刷りをしていただきましたので、参加者の中希望者に差し上げることができます。事前に申し込みをしてください)
足立己幸
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